もっと市民のために、今年も「市民のためのがん治療の会」は、会員のみなさまと共に歩みます。
昨年一月、「市民のためのがん治療の会」は創立五周年を迎え、これを機に「もっと市民のために」を合言葉に様々な改革を志向しておりますが、ホームページのリニューアルもその一つです。
トップページの「がん医療の今」も多くの一流の先生方から素晴らしいご寄稿をいただき、順調に推移しております。先生方から当会の愚直とも思える運営とその実績に対し一定の評価をいただいたからこそ成り立つものであると、この成功を会員の皆様とともに喜び、また、誇りといたしたいと存じます。
当会はこのように常に会員とともに在り、考え、支え合うことを第一の使命として運営しておりますが、必要と思われることにつきましては、これまでも果敢に政策提言等を行ってまいりました。
昨年11月21日にはタバコ値上げ意見広告の共同提案をいたしましたのに続き、12月3日には内閣総理大臣並びに厚生労働大臣に対し、「子宮頚がんワクチンの11−14歳女児に対する定期接種に関する要望書」を提出するとともにメディアに対してもリリースいたしました。タバコ値上げにつきましては既にご報告いたしましたので、今回は子宮頚がんワクチンについての要望書を以下に掲載し、活動のご報告といたします。
当会は、禁煙や子宮頚がんワクチンなど、効果がはっきりしていることは迅速に実行すべきということを強く主張するものです。また、財政的にも困難な状況の下で、現実的な対応策も対案として提示しております。
本年も以上のような基本方針を堅持しつつ、さらなる発展を期するところです。引き続き皆様のご支援ご協力をお願い申し上げます。
日の出のエネルギーをお届けして皆様のご快癒ご健勝を祈念し、引き続き会をお支えいただきますようお願いいたします。
平成庚寅元旦
市民のためのがん治療の会 代表 會田 昭一郎
子宮頚がんワクチン無料接種を
保険収載で財政的にも目途が
「市民のためのがん治療の会」は昨12月3日、別添の要望書を鳩山由紀夫内閣総理大臣並びに長妻昭厚生労働大臣に対し送付いたしましたので、ご通知いたします。「市民のためのがん治療の会」は下記を要望します。
- ほぼ確実に子宮頚がんが予防できることが分かっている手段があるのであるから、可及的速やかにこれを実施する。
- 11−14歳女児に対する子宮頚がんワクチンの学校での定期接種を、個人負担なしに行う。
- 子宮頚がんワクチンを保険収載することによって、3割分を自治体の小児医療等での扱いとするなど、財政的な解決が望める。
- 毎年16000人前後罹患する子宮頚がん患者を減らすことにより、少子化対策にも資する。
なによりも第一に考えなければならないのは、ほぼ確実に発症を予防し、治療に伴う苦痛や、残念ながら死にいたる(毎年3500人)悲劇をなくし、妊娠出産という人間としての大きな喜びを失うことのないような手段が認められた以上、ただちにこれを実行すべきである。
現政権はマニフェストで子宮頚がんの任意接種について言及しているが、それを一歩進め、全員接種に持ってゆきたい。そのためには個人負担をゼロにし、学校での定期接種とすることが最も効果的である。
仮に1回の接種が12000円とすると11-14歳女児234万人に3回接種するので840億円必要だが、保険収載できればそのうちの7割の590億円は保険で、残りの3割分の250億円を自治体の小児医療等で考えれば実現性がある。