医師のジェネリック医薬品使用についての意識調査
『会員医師へのアンケート調査〜後発医薬品の使用割合は増やせるか?』
メドピア株式会社
政府は、「経済財政運営と改革の基本方針2015」の中で、後発医薬品の数量ベースでの使用割合について、目標値を2017年央に70%以上とし、18年度から20年度末までの早い時期に80%以上とするとしている。現在の後発医薬品の数量シェアは、約56.2%(2015年9月の薬価本調査速報値より)だ。編集子が所属する国民健康保険運営協議会に於いても、ジェネリック使用は医療費縮減策の一つとして常に計画に盛り込まれ、また、行政機関からのDM等でジェネリック利用を促す施策が実施されている。
近年、先発医薬品と原薬、添加物、製法等が同一の医薬品と言われるオーソライズドジェネリックと言われる医薬品も登場したので、単純に先発医薬品と後発医薬品という比較はできないが、「がん医療の今」(No.107)で、武蔵浦和メディカルセンターの多田智裕先生の「ジェネリックは「先発品と同じ薬」ではありません〜短絡的すぎる「薬剤費の抑制=ジェネリックの使用促進」という図式( http://www.com-info.org/ima/ima_20120613_tada.html )
で指摘したような基本的な問題点は無視できないと思う。
今回の調査でも「効果や安全性が明確でない後発品は医師として使いにくいです。経営としては必要なのかもしれませんが、私は医師です。(50代、小児科、勤務医)」、「臨床試験をしておらず、主成分が本物の薬と同じというだけの化合物を責任をもって投薬できない。(50代、一般内科、勤務医)」という意見には、真摯に耳を傾けるべきではなかろうか。
総医療費抑制は国是ではあろうが、安全性は常に経済性より重視されるべきで、患者や家族は処方についても十分に考えよう。
今回は医師の3人に1人が参加する医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」( https://medpeer.jp ) を運営するメドピア株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長:石見 陽)が、会員医師を対象に行った「後発医薬品を使用(処方)する割合を引き上げることは可能か?」についてのアンケート調査結果について、掲載させていただいた。
近年、先発医薬品と原薬、添加物、製法等が同一の医薬品と言われるオーソライズドジェネリックと言われる医薬品も登場したので、単純に先発医薬品と後発医薬品という比較はできないが、「がん医療の今」(No.107)で、武蔵浦和メディカルセンターの多田智裕先生の「ジェネリックは「先発品と同じ薬」ではありません〜短絡的すぎる「薬剤費の抑制=ジェネリックの使用促進」という図式( http://www.com-info.org/ima/ima_20120613_tada.html )
で指摘したような基本的な問題点は無視できないと思う。
今回の調査でも「効果や安全性が明確でない後発品は医師として使いにくいです。経営としては必要なのかもしれませんが、私は医師です。(50代、小児科、勤務医)」、「臨床試験をしておらず、主成分が本物の薬と同じというだけの化合物を責任をもって投薬できない。(50代、一般内科、勤務医)」という意見には、真摯に耳を傾けるべきではなかろうか。
総医療費抑制は国是ではあろうが、安全性は常に経済性より重視されるべきで、患者や家族は処方についても十分に考えよう。
今回は医師の3人に1人が参加する医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」( https://medpeer.jp ) を運営するメドピア株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長:石見 陽)が、会員医師を対象に行った「後発医薬品を使用(処方)する割合を引き上げることは可能か?」についてのアンケート調査結果について、掲載させていただいた。
(會田 昭一郎)
■調査結果:後発医薬品の使用割合は増やせるか?
(回答数:医師3,740人、調査期間:2015/10/26 〜 2015/11/01)
順位 | 回答数 (人) |
占有率 | |
---|---|---|---|
1 | どちらかと言えば増やせる | 1,908 | 51.0% |
2 | まだまだ増やせる | 859 | 23.0% |
3 | 増やすのは難しい | 801 | 21.4% |
4 | 後発医薬品は使用しない | 172 | 4.6% |
合 計 | 3,740 | 100.0% |
- 「後発医薬品の使用割合は増やせるか?」の質問に対し、3,740人の医師が回答した。結果、「どちらかと言えば増やせる」が51.0%で最も多かった。次に多かった「まだまだ増やせる」(23.0%)と合わせて74.0%、つまり4人に3人の医師が「後発医薬品の使用割合を増やせる」と回答した。
- 「使用割合を増やせる」と回答した理由には、「これまであまり処方していないため、まだ増やす余地がある」という声が多かった一方、処方を増やすための条件として「情報提供の充実や安定供給、品質の保証が必要」や「患者の希望次第」という声が多く出た。また、後発医薬品の処方割合を増やすことで、新薬の開発意欲が落ちることを心配する声もあった。
- 「増やすのは難しい」と回答したのは21.4%であった。「既に可能な限り処方しており、これ以上は難しい」という声や、「安全性や品質への懸念」を示す声が大半を占めた。「後発医薬品は使用しない」と回答した医師は4.6%であり、理由となる後発医薬品への懸念は同様であった。
■勤務医・開業医別の集計結果
勤務医・開業医別では、勤務医(n=3,061)は「どちらかと言えば増やせる」が51.7%、「まだまだ増やせる」が24.2%、「増やすのは難しい」が19.9%であった。開業医(n=679)では「どちらかと言えば増やせる」が47.9%で、「増やすのは難しい」(28.1%)、「まだまだ増やせる」(17.2%)であった。勤務医の方が後発医薬品の使用割合を増やす余地が大きいという結果であった。
■回答コメント(一部を抜粋)
「まだまだ、後発医薬品の使用割合を増やせる」 859件
- 現在40-50%くらいで、もう少し増やせそう。(30代、循環器内科、勤務医)
- これまであまり処方していませんでしたので、まだまだ、増やすことができます。(60代、泌尿器科、勤務医)
- 小児は公費負担が多く、親が先発品を希望するため、まだまだ増やせる。(60代、小児科、開業医)
- 副作用などにつき、安全性が担保されれば増加させられます。(50代、放射線科、勤務医)
- 市中病院ではほとんどが後発品ですが大学病院ではまだまだ後発品の割合が低い。(40代、消化器外科、勤務医)
- 医療費抑制は待ったなしの状況。自分の専門領域だけは先発を押し通すなどとは言っていられない状況です。(40代、代謝・内分泌科、開業医)
- 医学的に増やせる増やせないでなく、医療経済的には増やさないと行けません。(50代、麻酔科、開業医)
「どちらかと言えば、後発医薬品の使用割合を増やせる」 1,908件
- 現状のところ、後発品への移行は「途中」の段階のため、まだ使用割合は増やせると思います。ただ、政府の提唱する値には、さすがに達しないと思います。(30代、総合診療、勤務医)
- ただし、後発品の安定供給、品質、情報提供がしっかりしているのが大前提です。(50代、精神科、勤務医)
- 後発品の品質が保証されれば使用割合は増やせると思う。新薬の開発費が望める配慮も必要と思うが・・。(60代、形成外科、開業医)
- 増やすのはよいが、情報提供が少ないのが問題だ。(40代、消化器内科、勤務医)
- 一般名処方が基本になりつつあるので、あえて後発品を選択するというよりは、患者希望ですね。(50代、代謝・内分泌科、勤務医)
- 患者さんに情報を増やせばまだ伸びると思います。(60代、一般内科、開業医)
- 経営上の問題もあり院内処方は後発医薬品の使用割合を増やせる方針です。(50代、腎臓内科・透析、勤務医)
「後発医薬品の使用割合を増やすのは難しい」 801件
- 現在も既に信頼できる薬剤はなるべく後発品を処方しているので、これ以上処方割合を増やすのは難しいと思う。(40代、眼科、開業医)
- 効果や安全性が明確でない後発品は医師として使いにくいです。経営としては必要なのかもしれませんが、私は医師です。(50代、小児科、勤務医)
- 何とか70%まで引き上げた。これ以上はできない。後発品の薬が良くない。60%引きなどの価格戦争でいったいどうなってるんですか?(60代、一般内科、開業医)
- これ以上増やせば、在庫整理も難しく、誤薬投与のリスクも高まる恐れ有り。(60代、神経内科、勤務医)
- 有効性、安全性に確信が持てない現状ではこれ以上増やすのは困難。(50代、一般外科、勤務医)
「後発医薬品は使用しない」 172件
- 品質と供給体制を信用できませんので。(40代、耳鼻咽喉科、勤務医)
- 臨床試験をしておらず、主成分が本物の薬と同じというだけの化合物を責任をもって投薬できない。(50代、一般内科、勤務医)
- 後発品の品質管理を厳しく行ってほしいです。商品名がわかりにくくて困ります。一般名プラス会社名としてほしいです。(50代、リハビリテーション科、勤務医)
【お問い合わせ先】
メドピア株式会社・広報担当 藤野 | 電話:03-6447-7961 | メール: pr@medpeer.co.jp